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胡蝶蘭

人の感性は様々で、同じものを見たり食べたりしても、それぞれで感じ方が違う。

時に人間は、自分と同じ感性、解釈をしないと、その人のことが嫌いになったり、理解できず、「変な人」扱いをしてしまうが、それは個性であって、本来なら受け入れるべきなのだが、中には「いくらなんでも、それはないだろ?」ということがあるのも事実だ。

私が自分のお店で心がけてることは、来て頂いたお客様に、少しでも気分が安らげるよう、お店のどこかにいつも生花を飾っておくことだ。

それは、大体が大輪の花を咲かせた、見事な胡蝶蘭であることが多い。

一枝ごとに、同じ方向を向いて、美しい花が咲き誇り、またその枝は必ず平行で、一鉢に30~40の花がつく胡蝶蘭は、まさに花の中の最高峰といっても過言ではないだろう。

古い話で申し訳ないが、我々時代のアイドルであった山口百恵が、結婚を機に惜しまれながら引退を決意し、その時まだ高校生だった私ですら、テレビ中継された、霊南坂教会から出てきたウエディングドレス姿の山口百恵の美しさに、息をのんだ。その時、頭に飾られた、この真っ白の胡蝶蘭が、今でも目に映って忘れられない。

が、しかし、である。

そのお客様は、うちに入ってくるなり、「いや~、気持ち悪~い!!」と、のたもうたではないか。

「こんな、気持ち悪い花、こんな近くで、それも毎日見ていて、なんともないですか?」

「花がどうしても、エイリアンの顔に見えて、しかたないんですよね~。」

「エイリアンが口をガバ~っと広げてるみたいで、チョーキモイぃ~」

「うわー、アタシ今日この気持ち悪い花が、夢にできそう」

「申し訳ないけどこの気持ち悪い花、視界に入らないとこにやってくれる?」

「やっぱり、エイリアンとかを作った映画監督は、こんな気持ち悪い花をヒントに、あの怪物を作るんですよね」

こんな具合である。

うん、まあね、感じ方は人それぞれだから、いいんですけどね。

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酒飲み

ウチのお客様の中で、ご主人が「酒飲み」と言う人が、結構いる。

今日のお客様、Tさんもそうらしい。

パーマが終わるまで、ずっとコクリコクリと、持ってる週刊誌がバサッと落ちても、気づかないほど、よく眠っている。

余談だが、下斜め45度に眠ってしまっている人の頭を、ロットで巻くのはかなりの技術を要する。

頭がガクッと落ちているため、前の生え際付近を巻くときは、こちらも腰を痛めるのでは?と思うくらい、アクロバティックな格好になる。

見かねて、隣のお客様が、「大変ねぇ、起こしたら?」とおっしゃるが、あまりにスースー気持ちよく寝ているため、どうにも起こすのを、はばかられるのだ。

そんなTさんも、最後の頃になると、やっと目が覚め、

「昨日寝てないので、もう眠くて眠くて・・・。」

「あぁ、台風でしたもんね、心配で寝れませんよね。」

「台風はなんともないけど、主人が飲んで大変でねぇ。」

「と言うことは、ご主人結構飲むんですね。」

「そう。一升。」

「へ?」

「一日、一升。それも、焼酎を割らずにそのまま。」

Tさんは、年配のご婦人だ。

「あ、あのぅー、失礼ですが、ご主人の年齢は・・・?」

「80歳。」


かなりのヘビースモーカーで、毎日焼酎を一升飲むが、健康診断ではどこも悪いとこはなく、いたって健康なTさんのご主人を医師は、奇跡に近い、と言うらしい。

負けた。完全に負けた。80歳の老人(失礼)に負けてしまったー! 

と、変なところで悔しがる、変な私であった。






同伴

Mちゃんは、本業は堅い職場に勤めているが、夜はバイトでお水の花道を歩いている女の子である。

今日はお店の何周年だかで、パーティがあるらしく、セットと着付けにやってきた。

「夜の方の仕事、どう?慣れた?」

「うん。今日、同伴。」

テレビドラマなんかで聞いたことのある、「同伴」。

艶めかしい響きの、「同伴」。

たしか、お店が始まる前に二人で食事かなんかして、開店の頃一緒にお店に入るんだよな。

いかん、いかん、我々中高年はすぐに変なことを想像してしまう。

「ど、同伴って、なんか危ないんじゃない?」

「ホントに危ないのは、アフター」

ほぅ、そうか、アブナイのはアフターか。

そのアフターを、どううまくかわせるかで、女の子の格が決まるらしい。

興味津々で、ここには到底書けない、あんな事やこんな事も聞いた。

一見、華やかで派手な仕事でも、裏にまわれば、地道な努力をしているものだ。

その努力を怠った者は、どの道にいようが、必ず振り落とされていく。

自分に言い聞かせながら、Mちゃんの帯をキュッと締めた。



偶然

バカタレ(息子ともいう)が、夏休みで帰省した。

先週の金曜日、「今羽田に着いたとこ、これから最終便に乗るから」と、電話があったのが、6時43分頃。

はい?最終便って、たしか6時50分じゃなかったっけ? 

飛行機って、15分前には必ず搭乗しなければならないのに、キミ何言ってんの?と言うヒマもなく電話はガチャンと切れた。

すっげー、イヤな予感。

私も経験があるが、飛行機は全席が予約なため、全員が乗ってからでないと飛ばないので、一人でも遅れてる人がいれば、皆がイライラしながら、待つのだ。

たとえ、5分の遅れであろうが、全線の離発着の関係で、大抵が30分待ちになることが多い。

その遅れてきた人が、ハァハァ言いながら、席につくなりガサガサと「空弁」なんかを食べだしたら、刺しそうになる。

そのくらい、最終便ともなると、イライラ度が高いのである。

それなのに、それなのにー! 

イヤ、まて、いい、そのバカタレ(息子ともいう)が、私の息子だと知った人はその飛行機には乗ってないんだし。


で、今日のお客様の、ケンちゃん。

ケンちゃんは、県庁の職員で、もう10年来のお客様だ。

「いやー、昨日二人目が生まれたんっすよ。今男でも産休が3日とれるんで、今日も休みなんっすよ」。

「よかったねぇ。ケンちゃんもあっという間に二人の子供のお父さんか・・・」

などと、たわいもない話をしていたら、

「いやー、でも先週の金曜日には、参ったなぁ。出産が近いから、東京出張を日帰りにしたんだけど、最終便が遅れてねぇ・・・・」

「ま、まさか・・・  いや、そんなバカな・・・・  」

「結局30分送れて、大分着いたのが9時半近かったなぁ。あっ、そうそう遅れてきたのは若い兄ちゃんで、放送で何度も名前呼ばれてたけど・・・アレッ?たしか苗字が同じ・・・・・」

「ひらにーっ、ひらにご容赦をーーっ」



世の中って、こんなに狭いのね

すごい効果と大評判!!

あー、例の「朝2分ダイエット」だがね、正直、怒ってるんよ、ワタシは。

その2分間、何をするか?

正解は、「のびのび」。

朝起きた時なんかに、ウーンと足も手もキューっと伸ばす、アレね。

アレを4,5回やれ、だと。

そうするとね、骨盤がしまって、体重が8キロ減り、ウエストが10センチ減、という奇跡が起こるんだそうな。

コツは、のびるときに息を吸って、のびが終わったら、その息を一気に吐きだす、だって。

イヤ、フツウ自然とそうするでしょ。

それに、読み進んでいくと、

とにかく、1キロでも多く体重を減らして痩せたい人は、食欲をコントロールする必要がある。

と、書いてあるではないか!

なんじゃそりゃ

要するに、朝2分「のびのび」をして、あまり食べるな、という事ですな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

まぁ、食べなかったら体重は減るわな。

んなことは、百も承知ですがな。

たった朝2分で健康的に美しくやせる、という殺し文句に、今回もまんまとヤラれたワタシ・・・。

この「のびのび」で痩せたという人がいたら、ぜひ連絡下さい。

  

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